太陽光発電事業を始めるには、土地を購入して発電所を建設する、またはすでにある土地を利用して発電所を建設する方法があります。しかし土地を購入する場合、太陽光パネルが設置できること、発電所の周囲に木々などによって太陽光パネルに影が落ちないことなど、太陽光発電所に適した土地を探す必要がありますし、すでにある土地を利用する場合は太陽光発電所として適していないときは工事を行うことになります。一から太陽光発電所を建設する場合は、手間と費用がかかるのです。再生可能エネルギーの増加に伴い、売電価格は下落していますから、太陽光発電所の建設に大きな費用をかけてしまうと、売電収入で建設費用を回収することが難しくなってしまいます。
そのため最近は、中古市場が拡大しており、中には売電価格が高額な発電所を購入することができる場合があります。中古太陽光発電所は売電価格が高い、購入後すくに稼働して収入を得ることができるといったメリットばかりではなく、デメリットもあるため、デメリットを知った上で投資を検討した方がよいでしょう。
中古太陽光発電所は発電所によって設備の状態、そしてメンテナンス状態にばらつきがあります。定期的な点検・メンテナンスを行って設備を維持している発電所がある一方で、設備の一部が故障していたり、太陽光パネルを設置した架台が金属製で腐食していて強度が弱くなっているなど発電所の設備全体に問題がある場合もあります。中古太陽光発電所は建設して数年が経過しているため、設備の劣化は避けられないところです。しかし劣化が著しく、すぐに故障してしまうようでは、大きな修理費用がかかってしまう場合もあるため、中古太陽光発電所を購入する場合は、点検・メンテナンスの書類を確認するだけでなく、実際に発電所を訪問して設備の状態を確認した方がよいでしょう。 企業が太陽光発電所の運営する場合、中小企業等経営強化法といった税制上の優遇措置を受けることができますし、国や地方自治体の支援を受けることができます。しかし中古太陽光発電所の場合、特別償却とならず、節税対策とするには適していないといってよいでしょう。そのため中古太陽光発電所を長く利用することを考えている場合は、税金面のデメリットを承知しておく必要があります。また中古太陽光発電所を長く利用していれば、点検やメンテナンスに大きな費用がかかる場合がありますし、廃棄する場合はそこでも大きな費用がかかることを承知しておきましょう。そして中古太陽光発電所は固定価格の買取り期間が短いのが一番のデメリットといえるでしょう。購入にあたっては固定価格の買取り期間がどのくらい残っているか確認しましょう。
